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体は違えどストレス反応はほぼ同じ。戦場にいませんか?

とあるブログで拝読した写真。……『the BBC News 24 countdown 』より。レポーターのJOHNは、テレビカメラをしっかり見据えながら、緊張感溢れる現場のレポートを続けている。しかし、背後で何か大きな爆発音が聞こえた時、カメラに向かって話し続けたジョンも、彼の周囲にいる人たちも、その大きな爆音に対して同じリアクションをとった。まるでアヒルのように、頭は前に落ちて、肩をぎゅっと上に持ち上げた。

 人間のカラダは脆弱な部分は守られるように、とてもよくできている。例えば、腕と脚の大きな神経叢と血管は、四肢の内側の表面を通っていて、大腿動脈は外側からは見えないようになっている。しかし、とても脆弱なのに完全には守られていてない場所もある。それは例えば、首。ジョンの本能的なストレス反応は、カラダを縮み上がらせて、首と喉を守った。まさに首をすくめるために肩は上がり、頭を守るために前に落とし、内臓を守るために背中は身構えて丸くなった。この本能的な反応は1秒あるいあ2秒のことで、またすぐにプロフェッショナルの鏡としての自分を取り戻し、話し続けたことだろう。

しかし写真を二枚並ばせていただくと、まるでパラパラ漫画のように面白い。(excuse me!) BAAAAN!という爆発音がまるで聞こえてきそうだ。

 

日常の中にある、戦闘体制とは?

Fight or Flight 反応。

 私事になるが、この夏はいろいろなことがあり、けっこう東京にいなかった。自宅にいなかった。ホテルや友人宅での暮らしをしていた。それも無事に終焉を迎え、東京に帰ってきてからしばらく経つというのに……自分のカラダをふとした瞬間に鏡で見てハッとすることがあった。そう…..ジョンさんみたい。肩が耳まで引き上がって、重心がぐっと前にきて、胸を固めていた。何よりもほとんど息をしていないことに気づいてしまった。わたしは第一線の戦場にいるわけでもないのに、もう日常生活に戻ったというのに…..嫌になっちゃう。戦場のストレスのような瞬間的なFight or Flight(闘争か闘争か?)反応と、日常的にじわじわじわと進行するストレスの違いを、残念ながらカラダは理解できない。それが本能というものなのだろう。ストレスに対する身体反応は、戦場にいようとも都会の日常にいようとも、そっくりなのだ!

 引越しや出張、転校や転社…..きっとそんなタイミングの方も多いのではないか? それは日常の中で誰もが経験するであろうストレスフルな出来事だ。そんな時に、自分のカラダを観察してみて、ジョンさんのようになっていたら、まずは一言。

「ここは、戦場じゃ…..ない。」

と自分に言ってみる。けっこう素直に…….そうだね…って思える。目の前のことが、少し小さなことのように感じられて、いろんな流れ、突破口が見えてくる。

 

そして世界平和を願うことも忘れずに。

 

(主なFight or Flight 反応)

♥JOHNさんのような反応を長く取り続けた結果、首、肩、腰が痛くなる♥心拍数や血圧が上がる♥呼吸が速くなる、浅くなる♥手足の末端が冷える♥鳥肌が立つ♥汗をかく♥瞳孔が開く♥震えたり硬直したり