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足の裏でさえ感じていたい。メカノレセプターを研ぎ澄ませて。

 前回のブログでお伝えした、足の裏のボールころころ….気持ちよくってつい念入りにゴリゴりとやりたくなる。でもそうして欲しくない理由がある。それは、単なる筋膜マッサージで終わらせたくないからだ。表層の筋肉やツボを刺激する感覚が強すぎて、もっと微細な感覚が感じ取れなくなる。その微細な感覚を感じるトレーニングをしたい。それはメカノレセプター、足の裏のセンサーのことだ。

 メカノレセプターは固有受容器(感覚受容器)だ。固有受容器からの情報を脳が受け、命令を出し、運動を調節したり、姿勢を調節してバランスをとっている。だからこそ、足の裏と脳のつながりは深い。足の裏の感覚神経は体性感覚(肉体と結びついた感覚)と言って、さまざまな情報を脳に伝えている。
 また、足を良く使う生活をしている人はそうでない人に比べ海馬(記憶・学習)が発達する傾向もあるようだ。言い換えると足の裏を刺激することは脳への刺激にもなるということ。現代は、裸足で過ごすことが少なくなり、このセンサーが上手く働かなくなっていることも多い。


メカノレセプターが特に多く存在する場所。

性能のいい靴、靴下の重ねばき。足の裏が守られすぎることの代償は….

 まず、お隣の足の裏の図。赤丸で囲まれている場所が、メカノレセプターが特に多く分散しているところだ。メカノセレプターは使わないと劣えるという性質がある。あまりにも性能の高い靴、靴下の重ねばきなどで足が守られる一方で、こちらの機能も落ちやすいことも忘れてはいけない。耳が痛いね。メカノレセプターが正しく作動することよって転倒の危険が減るし、ふらついたとしても脳へ情報がしっかりと伝わっているので、地面に体や頭を打ち付ける前にしっかりと腕が出て手の平がつけるというわけ。転倒したい人は要注意。



体重シフトの順番。

体重シフトもしなやかに。

 このメカノレセプターを活性化させるためにオススメのワークがある。それは、ゆっくりまるでスローモーションのように歩くこと。私たちの歩くときの体重シフトは右の図の番号のようになっている。かかとから踏み込んで、2番のあたり。そして母指球の1番を通って親指に抜けていく。しかし長年の癖や足のねじれでこれが美しくできる人は数少ない。

 私はレッスンの前に、時間がなくてストレッチできないなというときはこれを行う。マットの端から端までを1分かけて歩いてみる….。すごいから….やってみて!

How to walk gracefully

1.まず両足を揃えて立つ。その時に足の裏と床の接地面を感じてみて。足の裏は意外に大きい。どの部分に体重が一番乗っている? 足の指は力を入れずに、でもしっかりと床についている? そして足の裏の3つのアーチは上がっている?

2.ゆっくりと片足を上げ、一歩踏み出す。もちろんそのときは❶のかかとから。そして美しく優雅に➋→❸→親指と体重がシフトしていくか?

3.後ろ足が床から離れる時もこの順番。ということはしっかり❶で蹴り出せているか感じてみて。

3.自分ができる限り、ゆっくりとやってみる。どこの部分が着地が難しいかわかる。

4.一番初めて同じように両足を揃えて立ってみる。1と比べて、足の裏の感覚がどう変わったか?足の裏の感覚が変わることで、他の部分に影響があるか感じてみて。背骨?視界?呼吸は?

(おまけ)おすすめ動画。優雅に歩けるようになったら、ヒップホップ的WALKだって簡単にできちゃう?? 

1分14秒くらいからhow to start。先生のカウント、ワン、ツー、スリー、と足の裏の❶❷❸がバッチリ合うところにご注目!1分58秒くらいから歩き始める 。彼のカウントの1-23がまさに、体重移動の合番号と揃う。ラストの7分14秒からは完成形。動物みたい。

土踏まずを作る,体重シフトなどのワークなどは「感じるmodule」で行います!通常クラスでも是非どうぞ。