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鎖骨にまつわるストーリー、ジェニファーに思いを馳せて。

タートルネックやストールぐるぐる巻きの、寒い日々が続いている。お気に入りのピアスを連日落としたり、肩がぐっと中に入って鎖骨がガチッと固まったり…..という訳で、最近、自分のレッスン時にも、とても気になっている鎖骨について考察してみた。

あなたの鎖骨、動いてる? 意識したことはありますか?

腕はどこから?という論議には、いろいろな考え方があると思うが、動きという面から考えてみると、しっくりくるのは〈胸鎖関節〉からというアイディアだ。胸鎖関節とは鎖骨と鎖骨のつなぎ目、くぼみ。腕は鎖骨に始まり、肩甲骨、上腕骨に繋がっている。そして腕全体 が胸鎖関節で体幹部に接続し、身体の前後にバランスをとっている。しかし私たちは、腕の始まる地点を上腕骨上部(いわゆる腕)の付け根であると間違えやすい。まるで旧型ロボットのように….。

ちなみに鎖骨は、私たちがお母さんのお腹の中のまだ小さな小さな胎児だったころ、骨化を始める最初の骨だと言われている。しかし、面白いことに、完全に固まって完成するのは一番遅く10代の終わりから20代の初めだそうだ。そして今とはっては…..若い時に、「腕は鎖骨から」と真剣に意識して、まるで野生の白鳥のように踊っていたら、こんな風に肩こりや胸のつまりを感じなかったもしれないなと猛省の日々。

ロックした鎖骨は、肩こりや四十肩、五十肩の原因にも。

 上の図の、上腕骨、鎖骨、肩甲骨の3つのつながりを肩甲帯と呼ぶ。ということは、上腕骨、いわゆる腕が動くときは必ずこの3つの骨が連動して動くということだ。鎖骨が動かなければ、当然、胸鎖関節や肩鎖関節に負担がかかって、痛みや不具合の原因にもなる。ちなみに肩甲骨は、肋骨と骨ではつながらず浮遊していて、唯一、鎖骨と繋がっている。これで鎖骨の重要性はわかるだろう。

鎖骨のシーソーの動きを意識して、肩を上げずに腕を上げる

 上の図は、胸鎖関節をズームアップした図だ。Aは腕をelavation上げることによって、鎖骨と胸骨の接する面はスライドして下がることを示して、Bは腕をdepresshion下げることによって接触面はスライドして上がっている。ものすごく簡単にいうと、腕を上げると鎖骨の根元は下り、下ろすと上がってくる、シーソーのような働きが起こっているということだ。是非、やってみてほしい。この動きを意識すると腕をあげる時に、鎖骨が広がり、首が長くなり、肩が上がって僧帽筋を過剰に使わなくなるのではないか?

 鎖骨という場所の脳内のマッピングを描き変えただけで、効率的に腕を上げやすくなるなんて面白い。今までは、脳内マップには鎖骨は単体でマッピングされていたのではないだろうか?鎖骨と肩甲骨と上腕のつながりはもちろんのこと、私たちのイメージと動きのつながりも密接だ。このようなサポートは、何か特別なトレーニングを行わなくても、一瞬で、変化が見られる。そう、「ヒラメイタ!」という感じで。

余談ですが….私の中の鎖骨美人ナンバーワンは、やはりフラッシュダンスのジェニファー・ビールズなんですよ。いつまでたっても、きっと永遠に。彼女がオーディションに採用された時の話は、幼少時の私の心を鷲掴みにした。

「いつも着ている古着のトレーナーをランドリーにかけたら、縮んでしまったの。頭が入らないくらい。だから、首の周りをザクザクと切って、急いでオーディションに出かけたわ」

そんな彼女をスタッフが気に入って採用されたとか….。ほんとかな。いや、嘘でも本当でもどちらでもいい。私の永遠の鎖骨アイドルは、彼女であることに変わりはない。

What a Feelin’ !