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なぜ、ボディスキャンで寝てしまうのか?(その1)

ボディスキャンは昼寝でもなく、

単なるリラックスエクササイズでもない。

 残念ながら….笑。多くの人が、誤解していることかなと思います。激しく動いあたあと、ヨガのやトレーニングのラストのシャヴァアーサナ(屍のポーズ)で、まるでショック死したように寝てしまう人を多く見かけます。もちろん自分もそんな時が多々ありますが、カラダの調子がいい時やトレーニングが深まってきた時は、そうではなくありたいですね。限りなくボディスキャンをしているような状態でいたい。ボディスキャンは、マインドフルネスの練習や、ヴィパッサナー瞑想などの各種瞑想のファウンデーションとなっています。そしてもちろん、ボディチューニング®︎においてもマスト、自分のからだにチューン inする方法です。別に、運動の後だけでなくてもいいんです。横になって寝なくてもいいんです。いつでもどこでも日常生活に取り入られる方法です。

 しばしば、床の上に横になって行うことが多いボディスキャンですが、リラクゼーションのためのエクササイスではないということをしっかり認識しないといけないですね。ポイントは…穏やかで落ち着いた気持ちになる必要もないし、特に、そうなろうと自分で頑張る必要はないということ。

 

カラダでカラダを感じていますか?

思い込みのトラップを外そう。

 ボディスキャンの大きな目的は、自分のカラダという存在を、頭ではなくカラダで感じで経験することです。日々、クライアントさんと接していて感じることは、多くの人が自分のカラダに対してなにがしかの思考(考え)や感情を持っています。自分のカラダが好きだとか嫌いだとか、お腹が出ている、硬い、痩せたい、坐骨神経痛がいつもあるけどこれはもう治らない、もっと健康になりたい、とか。だから、トレーニングにいらっしゃるわけなんですが。しかし、この思考というか思い込みをちょっと片隅においておいて、自分のカラダを頭ではなくカラダで感じることをしていくと、いろいろな変化が起きてきます。目の前にあるカラダとの関わり方が変わるので、その結果、動きが変わるかもしれないし、外見も変わるかもしれない、いやいや、そもそも自分が求めていた結果の執着さえ手放せるかもしれない……ベネフィットは、まるで科学者のように自分の客観的に観察できた人だけへのギフトなんです。

初心者の方にオススメのやり方を。

Comfortable Place &Time(いい場所といい時間)

床の上に寝てもいいし、椅子に座っても胡座でも。自分が心地よくいられる場所と時間を確保して。五感の刺激をできるだけ閉じた方が内側に集中しやすいので、お気にりのブランケット(触覚)や、騒音のない場所(聴覚)、そして目は軽く閉じた方が(視覚)初心者ほどやりやすい。快適であればるあるほどいい。

Breathing(呼吸)

大きな呼吸をした方が集中しやすかったら、まずはそれから初めて。体全体から大きく息を吐き出して、そして体全体に大きく吸い入れる。十分にできたら、だんだんとその意識的な呼吸を小さくして、いつかは鼻の穴にただ呼吸が出入りしているという程度に無意識でできる呼吸を感じられるようになることを目指して。 

Scanning(スキャンする)

頭のてっぺんからつま先までパーツに分けてもいいし、途中で折り返してもいいし、自分のやりやすい方法で、感覚でスキャンしていく。どこも漏らさぬように、くまなくカラダの各部分を感覚で観察する。

 

ただ、これだけ。時間は3分でもいいし、集中力が養われてきた方は30分でも1時間でも。やり方はいたってシンプル、しかし近道がないのがボディワークの醍醐味ですね。とにかく、つべこべ言わずにやるしかない。そしてやっていただいた方の中で、それぞれの傾向が出てくると思います。もちろん同じ人でも、体調によって、状況によって体験は変わりますよね。

 

ボディスキャンで陥る2パターン。

寝落ちしてしまう! のはどうしたらいい?

 ボディスキャンをすると、ざっくりと2つのパターンに陥りがちだと思います。一つは、寝落ち。答えはイージーでごめんなさい。まず、あなたのカラダは疲れています。それを認めましょう。認めるということは受け入れるということ。あなたのカラダは休みが必要なんだということを、自分自身のカラダに思いやりの心を向けてながら、受け入れる。なんだよ、そんなこと簡単すぎっ」と突っ込まれてしまいそうですが、ほんとうににそうでしょうか? 都会で忙しく働く、日々いろいろなことを充実させたライフを送ろうと頑張る私たちにとって、最も難しいことだと感じます。競馬馬が一番スピードを出して走っている時、(失礼、サラブレッドと言い換えましょう)急にブレーキをかけさせられるのは大変なことですよね。 でも、この練習を重ねていき、ちゃんと疲れを取ることを心がければ、ちゃんと起きていながらも自分のカラダを観察するいうトレーニングができ集中力が養われます。

 

「受け入れること」もプラクティス。

それがストレスを生まない鍵になる。

 ストレスという言葉は言い換えれば、抵抗です。何かに抵抗したらストレスが生まれる。サラブレッドを急に止めたら……馬のカラダにすごい抵抗がかかります。ボディスキャンはある意味、抵抗することを意識的に手放す練習です。抵抗しなければ、ストレスは生まれません。しかし、自分のマイナスな部分を受け入れるなんて難しい。頑張ることが美德とされてきた日本人マインドに無意識に刷り込まれている「抵抗」を一つ手放してみませんか? 

 疲れているということを自覚して、自分なりに生活を立て直す、寝る、美味しいものだけでなく体にいい食事をとる。

そして、次回のボディスキャンに挑みましょう。落ち込むことなんてありません。何度でも、やり直せるんですから!!!

 

次回はもう一つのパターン、ボディスキャン中に「あれこれ考えてしまう」をお届けします。

 

  (お知らせ)

こちらのボディスキャンがじっくり体験でき、自分でしっかりと体を回復させるクラスを来週の12/28&29日に行います。初めての方も、ぜひいらしてください。